今回ご紹介させて頂く事例は、臭気対策コンサルテーションについてご紹介致します。
ご相談頂きましたお客様は金属回収を行っている会社様で工場内より発生した臭気を対策したいという内容でした。
現地を確認すると、周辺で独特な臭気を感じることが出来ました。
臭質は電子機器に付属している金属を特殊技術で剥離、回収を行う工程で発生する硫黄臭がメインでした。金属を回収する際に薬液に溶かし込む工程があり、その際に独特の金属臭、硫黄臭が工場内に発生しておりました。
場内の工程を確認すると、金属を回収する際に大きな窯に入れて回収を行っており、窯の中で発生した臭気を局所排気で吸引し、2塔式のスクラバーで対処しておりました。
そのほかにも臭気の発生個所があり、どこが原因で臭気が周辺に飛散しているかを確認するために臭気対策コンサルテーションの実施を推奨し、実施させて頂きました。
調査をしていると、発生している臭気として一番強い系統は局所排気系統と判明しました。
2塔式スクラバーを通過しているため、各スクラバーでどの程度脱臭が出来ているかを確認致しました。
その結果、1機目のスクラバー(水スクラバー)で90%以上脱臭されており、2機目のスクラバー(アルカリ洗浄)で更に80%脱臭できていることが判明しました。
しっかりとスクラバーで脱臭していることを確認いたしましたが、時間経過によって効果が変動するかを確認するため、数時間ごとに臭気を採取しました。
その結果、朝は効果が高いが昼過ぎから徐々に効果が落ちていき、夕方前には脱臭効果がない状態になっていることを確認致しました。
スクラバー内の貯留水を給水せず、一日同じ水を使用されていることから、水が汚れてしまい脱臭に寄与しなくなってしまったためと考えられます。
そこで、貯留水の添加液の変更、量の調整を行い、1日効果維持することが出来るかの試験を合わせて実施することに致しました。
その結果、一日水を入れ替えなくても効果を維持し、更に効果を上げることが出来たため、本テスト結果での実機運用をご提案させて頂きました。
排気ダクトの位置が敷地境界線に近い為、希釈度を計算すると薬液変更だけでは目標値をクリアすることが難しい為、ダクトの位置変更も合わせて実施して頂くことになりました。
そのほか工場内に飛散した臭気が壁面の隙間から外に漏れ出ていることも確認いたしましたので、壁面の補修もご提案させて頂きました。
今回の臭気対策コンサルテーションの結果から、脱臭装置の新規導入ではなく、現状を把握し、現状設備の改造で目標値まで低減することが調査の結果から判明致しました。
既存の脱臭装置がうまく脱臭できていなかったり、どのような脱臭装置が適しているかを判断したいなどのご要望が御座いましたら、一度弊社へご相談いただければ解決までのお手伝いをさせて頂きます。
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